BYK Logo

中国展開


EUROPEAN COATINGS JOURNAL 03 - 2023のレポートです。
カテゴリー 業界トップクラスの動き


BYKは、これまでの敷地を拡張し、上海に研究所と管理部門を備えた中国で2番目の製造施設を開設しました。初期製造量は4,750トンで、上海化学工業圏(SCIP)の大型プロジェクトの一部として投資額は2桁台前半(百万ユーロ)となりました。面積は1.16ヘクタールを擁し、シリコン系添加剤の製造を中心に、2万トン以上まで生産量を増やすことができます。

スペシャリティケミカルでグローバル展開するBYKにとって、上海の拠点はBYK Tonglingに続く中国で2番目の生産施設です。 BYK本社(ドイツ)社長Dr. Tammo Boinowitzは述べています。「中国は、当社にとって中長期的に確実な成長市場です。SCIP II の完了は、グローバルな成長戦略における重要なマイルストーンです。多くのグローバルバリューチェーンは、ここ中国に幅広く基盤を擁しています。」このプロジェクトの完了は、ALTANAグループの一翼を担う添加剤のグローバルサプライヤーBYKが、中国だけでなく、より広いアジア市場で成長しようとする意欲を明確にするものです。

工場はBYKのグローバルな製造ネットワークに統合されますが、主に消泡剤、表面調整剤、その他アジアで需要の高い製品の製造していくため、さらに現地で使用されることが期待されます。立地条件もさることながら、全く新しい施設を建設することの明らかな利点は、サステナビリティに特化した機能を追加することです。新しい敷地には、駐車場を含む約2,000平方メートルに及ぶソーラーパネルが設置されています。太陽光発電を行いながら、駐車場は日陰設計をされています。

期待される伸長、課題および躍進の機会

現在、上海で生産されている添加剤は、自動車、工業、家具、建築用塗料などに使用されています。BYK-Chemie本社・マーケティング&セールス統括、BYK Additivesのアジアビジネス責任者であるGerd Judith取締役は、自動車および工業用塗料分野への期待について述べています。: 「これらの分野は、当社がお客様に付加価値をお届けできる多くの適用分野のうちの長期的な成長戦略の重要な領域です。」 中国は、イノベーションと持続可能性の面で高い成長が期待され、独立系自動車分野としても重要性を増してきています。これには電池技術も含まれ、 OEMの需要拡大に対応するため、かなりの伸長が見込まれます。

ここ数年、グローバルなサプライチェーンは混乱し、原材料の入手やパンデミックは、業界全体にとって困難な状況でした。ドイツに本社を置く当社は、今回の中国拡張は大きな事業拡大となり成長戦略における重要なマイルストーンと位置づけています。しかし、Gerd Judith氏は、この展開は上海第2工場を一方的な集中とみなしているわけではないと指摘します。「米国、中国、ヨーロッパに生産拠点を持つ当社は、広範かつ効率的に供給範囲を持つため、起こりうる変動を確実に補うことができるのです。」この動きは、多くの欧州企業にとって中国市場が魅力的で重要であることを示すものです。

Gerd Judith

Managing Director Marketing & Sales at BYK-Chemie

Gerd Judith氏への3つの質問

なぜ上海を拠点に選んだのですか?
上海は、Tonglingに次いで中国で2番目の生産拠点です。BYKは以前から上海に研究所と管理部門を持っていました。当社の活動拠点は、基本的に、お客さまとの距離を重視しています。上海では、お客様との距離の近さに加えて、非常に優れたインフラ、高い能力を持つ労働力、グローバルなサプライチェーンへの迅速なアクセス利便性などがあります。

上海の新しい拡張は、欧州のお客さまにどの程度のメリットをもたらしますか?
BYKの各製造拠点は、グローバルな生産計画プロセスに組み込まれているため、お客様へのこの拡張能力は、グローバルかつ分散的に提供する当社の製品供給能力を確実にするための重要なステップとなります。

中国での3拠点目の計画はあるのでしょうか?
同様に、他のAPACの拠点での展開の予定は?私どもは市場や業界動向を常にチェックし、お客様の開発パートナーとして先見の明を持って行動することができます。そのために、アジア地域には、お客様の近くに多くの応用技術ラボがあります。しかし、現在のところ、中国に新たな施設をつくる計画はありません

News | 2023年3月2日

プレス(報道)コンタクト

European Coatings Journalに記事が掲載されました 03 - 2023(.pdf)